点字の案内板を製作する前に、仕様決定やデータについて注意点

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プレス点字のデータについて
製作用イラストレーターデータを送って頂ける場合のお願い
製作用データをご用意できない場合
墨字データのカラーについて
素材についてのお願い
◆工法・大きさ・サイズ・形状についてのお願い
イラストレータでのJIS規格に準拠した点字アウトラインファイル製作も承ります

(スクロールダウンしてもご覧になれます。)

プレス点字の内容を指示いただける場合、そのデータについて
 プレス点字の製作データはどのようなファイルでもかまいません。点字訳を当社スタッフが行い、NC機械用にプログラムします。点字にしたい文章があれば大丈夫です。

 アドビイラストレーターファイルはもちろん、PDFやテキストファイル、Microsoft Office製品などのデータでも可です。FAXに手書き文字でも問題ありません。


 ただし、CADデータからNCへの変換は不適のため不可です。CADデータは資料としてのみ承ります。


 UV点字の場合はシルクスクリーンを利用して点字を作ります。したがって次の欄をご参照ください。

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製作用データを支給していただける場合のお願い
 プレス点字以外の製作データ(UV点字や、点字以外の墨字および図画の部分)はシルクスクリーンやインクジェットなどで製作しますので、版下として利用できるデータが必要となります。

 データはアドビイラストレータのファイルでの支給をお願いします。(拡張子は.ai .eps)
 バージョンについてはCS5までの範囲で承ることが可能です。もしもCS6以降で作成されたデータの場合はCS5に変換してご提供をお願いします。

 フォントに関しては、決定稿の場合アウトラインをかけての支給をお願いします。

 カラーモードはCMYKにてご提供をお願いします。

 もしもイラストレータバージョン9以前をお使いの方は、全てのオブジェクトの解像度を「属性」ウインドウの「アウトプット」で「800」に設定していただけますと大変ありがたく存じます。(わからない場合はなにもされなくてかまいません)


 PDFの場合、イラストレーターで製作したPDFのみ使用可能です。
 コピー機やスキャナーからのビットマップ画像を元にしたPDFは不適のため不可ですが、資料としては承ります。


 Photoshopなどのペイントデータも不適のため不可ですが、資料としては承ります。


 CADデータは不適のため原則として不可です。資料としては承ります。


 Microsoft Office製品などのデータは不適のため不可です。資料としては承ります。

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製作データを支給できない場合

 版下用の完全原稿としてアドビイラストレータのデータを支給されない場合、アドビイラストレータのデータを当社で作図することができます。実際の所、半数以上のお客様がこのケースでのご依頼です。

 ・打合せを重ねて製作してまいります。データをお客様から校正OKとなってから製作工程に入ります。

 ・経験、実績ともに豊富です。点字案内板の業界標準の仕様で、なおかつJIS準拠で作図します。

 例えば簡単な手すり用の点字シートひとつとっても、一般的な仕様を知らないとどう作図して良いかわからないと思います。今まで点字物件の経験が無い場合でもぜひ頼りにして頂ければと思います。当社なら標準的な仕様の提案図を迅速に提出可能です。

 データ製作費がかかります。詳細はご相談ください。

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墨字(点字以外の部分)データのカラーについて

 カラーについては厳密に言えばインクジェット/シルク印刷を問わず、データや色見本と製品との間でパーフェクトなカラーマッチッングは保証できません。ご理解願います。
 特にダイナカルやダイノック、ビューカル等、フィルムシート素材のカラーサンプルNo.による色指定は、再現が困難ですので、近似色・相当色での対応となります。あらかじめご理解頂いた上でご指定願います。(特にインクジェットではフィルムシート素材色の再現は大変困難になります)

インクジェット製品の場合
 CMYKだけでの配色指定を希望します。
 DICなどでご指定されてもすべてCMYKに分解した近似色・相当色にて出力されますのでご注意ください。
 データを頂ける場合は、頂いたままカラーを一切いじらず出力します。

黒について(文字や線など)
 データでK100%の場合、まっ黒ではなくごく僅かに薄い黒色になって出力されることがありますのでご注意ください。黒を本当にまっ黒に表現したい場合はいわゆるリッチブラックに着色してください。
 リッチブラックの推奨値例:C50%, M40%, Y40%, K100%(CMYKすべてを100%にする必要はありません)

シルク印刷製品の場合
 
どのような色指定をされても近似色・相当色での製品化となります。もちろんできるだけ近い色になるよう努力します。

 なお、オフセット印刷はこの業界ではほとんど利用することがありません。利用する際は多くの印刷業の注意点に準じますが、詳細はここでは略します。

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素材についてのお願い
 当社で製作しているのは金属板もしくは樹脂板への点字加工品です。

 金属とは主に、アルミ・アルマイト、ステンレスです。
 その他の金属板として、真鍮への加工もごく希に承りますが、錆の保証は負いかねますのでご注意ください(すぐ錆びます)。同様の理由からか銅板や鉄板への加工例はほとんどありません。
アルミ

 樹脂とは、薄いシート状ならポリカーボネート(プレス加工が中心)、塩ビ(※1)、厚い看板タイプならアクリル(プレスできませんのでUV加工のみ)が主流です。
ポリカ
アクリル
アクリルのUV点字のみ少し大きく見えますが、ここの写真は完全に同じ縮尺で揃えてはいません。)


 また最近は、アルミと樹脂の複合板での製作例もございます。

 インクジェットプリントした塩ビシート(※1)に点字をプレス加工し、裏面にアクリル板を重ねて厚みを稼いだ運賃表などの例もございます。

 それ以外の素材はできないのか?とお考えの方はご相談ください。上記素材が点字用途として主に一般化しているのにはきちんとした理由がございますが、それ以外の素材の中でも加工が不可能ではない物はいくつもございます。その反対に、点字用途としてふさわしくない場合(あるいは点字としてあってはならない、もしくは成り立たない)もございます(※2)。その意味で(機会をいただけるのであれば)ご提案させていただくことができると思います。

※1 インクジェットで薄いシート製作の場合は塩ビのみとなります。理由はインクジェット出力メディアが一般的に塩ビ製である為です。トップコートの処理(艶あり/艶消しご指定可)を施しますので耐久性には大きな問題なく、公共機関でも運賃表や案内図などに採用されています。ただし手すり用には不向きです。また屋外設置の場合は多少問題がありますのでご相談ください。

※2 その一例として、PET材はその独特の特性により点字製品には不適です(曲げ・接着に難)。多くの建築士や発注者様はPET材についてよく勉強・理解されている方が多く、点字案内用途にPET材を指定されることはほとんどありませんが、ごく希に、環境面やリサイクル性の観点からのみで依頼者様要望によりご指定を頂くことがあります。PET材は対応しかねる場合がありますので見積前にご相談ください。


 ◎最適素材
 ○多く用いられる
 △不可能ではないがほとんど用いられない ※3
 ×不可能
※3 ほとんど用いられないのには理由があります(省略)。
※4 加工不適または不可能な金属板や樹脂板も多くありますのでご相談ください。
素材加工法 プレス UV
アルミ
ステンレス
その他の金属板(例:真鍮)※4 △/× △/×
ポリカーボネート
塩ビ
アクリル ×
その他の樹脂板(例:PET)※4 △/× △/×

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加工法・大きさ・加工面積・形状についてのお願い
加工法について

 当社ではプレス、もしくは透明UV樹脂の印字による製作となります。

プレス点字

 プレス点字の主なメリットは耐久性です。問題点は、工法上都合によりどうしても厚い板にはプレスできないことと、ラインやピクトが描けないので案内図に不向きなことです。詳しくは「当社の点字製品のこだわり」で特徴を説明してありますのでご参照ください。

UV樹脂点字

上の写真は実寸よりもかなり拡大してあります。その為に画像が実物より酷く粗く見えます(特に下写真のインクジェット部分)。

 UV樹脂点字の主なメリットは透明なラインやピクトが描けることです。そのため案内図はほとんどがUV樹脂製です。詳しくは「当社の点字製品のこだわり」で特徴を説明してありますのでご参照ください。簡単に問題点を挙げますと、一般的なUV樹脂の場合は点字が板材にくっついているだけですから耐久性に問題が生じる例が多いと思います。例えば、雨があたる場所では劣化が早いです。なにかと衝撃が多い手すり用にも不向きだと思います。
 当社のUV樹脂点字は一般的なUV樹脂より強靱に固着します(比較確認済)。それには特殊な設備とノウハウが必要で、他社には非常に困難な工法と考えております。耐久性に心配な方や、屋外設置予定でどうしてもUV樹脂点字を表記したい場合はご相談ください。

 その他、ピン打ち工法での点字は、公共では諸事情により採用例が非常に少ないと思います。製作については対応可能ですのでご相談ください。ただし、できることが限られ、若干ハイコストになり、また納期も長くかかりますのでご留意ください。


大きさについて

 点字の大きさ・形状はプレスもUVもルールが定められていますので、自由勝手なサイズで打つことはできません。目の不自由な方が指で触って読む物なので、大きさ・形状は一定の範囲内にいつも決まっていないと読みづらくクレームになります。
 詳しくは「点字のサイズ」で説明してありますのでご参照ください。


加工面積について

 加工面積は機械設備の都合により上限があります。プレスではNC機械の可動範囲、またUV樹脂の印字ではシルク版およびUV硬化装置の寸法、などによりそれぞれ物理的な面積=製作可能サイズの限度というものが決まってしまいます。
 そのため極端に大きな面に対する加工は不可能な場合があります。具体例を挙げますと、570mm x 600mmを越える大きさの場合、不可能になる場合があります。(※1)

 反対に、小さすぎる面に対する加工も点字の大きさにより限度があります。最近こちらの問題ケースも増えておりますが、点字は多くの方のご想像以上に面積を必要としますので、狭いサイズの時はご注意ください。
 詳しくは「点字表示の必要最小スペース」で説明してありますのでご参照ください。

※1 大きさについては570mm x 600mmを一部越えても可能な場合がありますので、可能な大きさかどうかご相談ください。


形状について

 平面ではない形状への加工は不可能です。例えどんなになだらかでも球面への加工はできませんのでご注意ください。(※2)

※2 例えば手すり用標示板なども点字加工時は平面素材に施工し、加工後に手すりに沿って曲げて取り付けます。つまり平面ではない形状への点字を施す場合は、対象の形状に曲げられる別素材への加工と貼り付け等で対処できる場合がございますので、ご相談ください。

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JIS規格に準拠した点字アウトラインファイル(イラストレータ)製作も承ります

 JIS準拠の点訳ファイル製作も承りますのでご相談ください。
 お渡しファイルはイラストレータでアウトラインをかけた状態でご提供します(.ai .pdf .eps)。
 バージョンは8〜10となりますが、CS以降でも何ら問題なく利用できるはずです。
 点訳して欲しい日本語文章をメールでお送りください。条件等も詳しくご説明ください。万一、製作不可能もしくは点字として不適な場合はお知らせします。

 点訳ファイル製作は有料となります。ただし案内板など製品として総製作依頼があった場合は、その点訳代は請求しておりません。
 また、常識範囲内(1〜3回程度)のやり直しの追加料金は頂きません。

【点訳ファイル製作】
 いわゆるイラストレータ版下製作と同様の作業です。料金は文字数などにより異なりますのでお問い合わせください。

【点字も含め、製品として総製作】
 点字以外にラインやピクトデータ、墨字データ等を組み合わせた案内図の版下を製作します。

 点訳には専門知識と経験が必要です。その意味でノウハウ豊富な当社がお手伝いできる事があるでしょう。率直に言えば、点字には点字ならではの表現条件が存在します。例えば点字にもJIS規格があります。JIS準拠で表示する点字は大きさ・ピッチ等の決まり事があるため、ちょっとした日本語文章でも思いのほか長い点字になってしまうこともよくあります。このため意図しない点字スペースの不足というお悩みに直面することも多いはずです。点字表示板の企画段階でわかっていれば対応できるかと思います。
 一方、数字のみあるいは単語のみといった極めて簡潔な内容で校正までは必要としない点字表記の場合(例えば、あける/しめる、のぼり/くだり、1かい/2かい、いりぐち/でくち、など)は、この点訳によりすぐに製作工程に移ることができるでしょう。

 また、日本点字図書館に校正を依頼した版下製作もできますが、その場合校正料が発生します。

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