点字表示の必要最小スペース

今回は、点字がどれぐらい狭いスペースに表示可能か?という話です。

というのは、点字案内においてよくある問題が「場所が狭くて点字を表示しきれないトラブルが大変多い」ということです。
点字案内を計画した際に「点字にはこれぐらいのスペースがあればたぶんいいだろう」と思ったものの、いざ製作したらそこには点字が書ききれなかったので、設計を変更したという実例を、頻繁に目の当たりにしております。

あらかじめ「点字は想像以上に長いスペースをとられるものだ」と意識して進めればこのような問題は回避できます。

そこで、見当の付け方です。

正確にはこの1マス6.1ミリという寸法を表示したい点字数だけ掛け算し、そのままでは余計にはみ出た勘定になる1点字分の横幅を差し引くとどれくらいの長さが必要になるか当然わかります。

1マスって何?という方は前回の内容をおさらいしてください。

とはいえ正確なマス数を数えるには点訳スキルが必要ではあります。
簡単なところでは…
点字では必ず文節毎に1マスの空欄をあけます。濁点や拗音・拗濁音・半拗濁音などもその符号に1マス分使います。数字や英文字の前には数字符や英字符を記しますのでますます延びます。etc
…でも、もしも点訳スキルがわからなくても、
とりあえず
 
文節毎に空欄を1マスずつあけてみて、
 
濁点や句読点も各1マスとして足して、
 
合計何マスになるかを数えてみるだけでも大雑把ながら充分目安になりますので試してみてください。

それだけでもう既にかなりの長さになっていませんか? それよりさらに何マスか伸びるだろうと思っていれば大きなズレはないでしょう。

きっと想像以上にスペースを占めるので驚かれると思います。

さらに、ここまで申しておきながらどこまでも長々と表示できるかというとそうではなく、長さにも上限があります。
一行最長40マスに収まるようにします。40マスとは6.1の点字の場合244mmです。つまり横幅は最長でも244mm以内に収めなければなりません。それを超える長い文章の場合は、改行しなければなりません。
改行すれば今度は縦のスペースも必要になります。したがって長文の際は縦スペースも意識してください。


次に、具体例を挙げます。
1行の点字製品を製作する場合
■ 施設名・部屋名だけのシールなどの例


注:実寸図ではありません

というわけでこの場合はW110*H12で製作しました。

目の不自由な方に向けて屋外避難階段という情報もちょっと気にはなりますがこれは実際に依頼のあった物件例であります。

■ エレベーター用の点字プレートの例(別途図が開きます

要点「点字は長いスペースをとられるものであり、あまり小さなスペースには収まらないことが多いと、まず意識しておいてください」

実際は、マス数をお客様が計算する必要はありません。
ご相談の際に「現状どのぐらいの長さになってしまうか」を速やかにお知らせいたします。それをもとに案内スペースをプランニングしていく必要があるでしょう。

もちろん、横寸法だけでなく、複数行の場合は行間による縦寸法も気にする必要はありますが、ここでは割愛します。


小さなスペースに収めるコツがあります

そのためには、必要な情報だけを簡潔に表示するにつきます。
ついつい多くの情報を案内したくなりますが、重要ではない情報まで全て詰め込んでしまった分、長く窮屈になった案内をよく見かけます。多くは今そこの場所で知らなくても良いことばかりであるため、目の不自由な方が本当に必要な情報にたどり着くまで指先で読んで辿っていくには膨大な長文になっていることがあります。
簡潔に短く的確な表現ができる場合がありますのでご相談ください。

つづく


点字のサイズ

点字表示の必要最小スペース

最大スペース(案内板の大きさ上限と設置高)
点字の案内の表示のしかた
点字の現在地の表示のしかた
健常者用の情報と目の不自由な方への情報は同じとは限らない

問題

その他は制作中


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