点字のサイズ
点字のサイズはJIS規格で定められています。エレベーター業界のみ独自の規格が存在しますが、それ以外はとにかくJIS規格のサイズで表示します。サイズに関しては必ず規格通りに従ってください。
それ以外のサイズを自由勝手に創造してはダメです。判読しづらくなって大きなクレームになるでしょう。目の不自由な方は指先で点字を読みますので読みやすいサイズが限られています。
まずは、この図をご覧頂きながら、その下の表の数値をご確認ください。
このページでは点字製品をはじめて依頼されるお客様のために特別に内容を絞りきって、よく尋ねられる表面的な事例のみレクチャーさせて頂いておりますので、厳密な各数値の範囲(最大値〜最小値)はここでは省略します。凸の直径や高さも割愛します。(規格そのものをただ転載してもこのサイトの存在意義がありません)
そして、縦点間と横点間も重要ですがここではあえて説明しません!
では、お客様にとって、サイズにおいて何が重要かと申しますと、一番は「マス間」ではないでしょうか。
マス間とは、簡単に言えば「文字間」のことですが、点字の場合、空欄・符号・記号など「文字ではない物」が多く使われますので、1文字分=1マスという表現から、文字間ではなくあえて「マス間」という呼び方をします。
JIS プレス点字規格 全ての詳細な数値はここでは略しますが、知っておいて欲しいのが次の2サイズです。 |
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マス間 | 行間 | |
標準 | 6.1mm | 11.5mm以上 |
最小例 | 5.2mm | 11.0mm以上 |
正確な最大値および最小値は略、行間の条件付き例外値は略 |
JIS UV樹脂点字規格 全ての詳細な数値はここでは略しますが、知っておいて欲しいのが次の2サイズです。 |
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マス間 | 行間 | |
標準 | 6.1mm | 11.5mm以上 |
最小例 | 5.9mm | 11.0mm以上 |
正確な最大値および最小値は略、行間の条件付き例外値は略 |
標準=規格最大値に近いサイズです。制約無ければ通常はこのサイズを使います。
最小例=厳密には規格最小値ではありません。小さい限度的なサイズとしてよく使われる例です。標準ではスペースに収まらない場合このサイズまで小さな点字が使えるものとご理解ください。これよりももっと小さいサイズは不可能ではありませんが採用されることは滅多にないです。
原則として、できるだけ標準サイズで製作するようにします。どうしてもスペース不足で困った場合のみ最小例サイズまで利用します。当然ながら、点字は小さいほど判読しづらいので、安易に小さなサイズを使用するとあとあと不評クレームが増える恐れはあります。
もちろん標準と最小例との間でもよく使われるサイズがあるのですが、それもここでは省略します。
厳密で正確な最大値および最小値では、実際はあまり使われることはありません。もちろんそれを超えるサイズは許されません。
要点「マス間だけでも知っておくと良いでしょう」
お客様が特に重要視すべきは「マス間」だけでもぜひ意識して頂ければと思います。その理由は次頁で述べますが、簡単に申しますと、
例えば「点字とは1マスが6.1ミリあるものだ」などとざっくりでも判っていれば、大雑把にでもどれぐらいの横幅が必要になってくるかの目安となるからです。
余談ですが、実は私共の業界でも点字のサイズを指示する際は「6.1の点字」「5.2の点字」という風にマス間の値で呼ぶことがほとんどです。
行間についてはマス間ほど深刻に悩むケースは少ないように感じますが、やはり1行あたりこの間隔が必要になると判っていれば、どれくらいの縦長が必要か見当つけやすいと思います。
点字は意外にも長さを必要とします。墨字と同じスペースにはたいてい収まらないこともご理解頂けるでしょう。
例外:エレベーター用の規格
エレベーター業界の納品物は特に指定のない限りJEAS-515D規格のサイズを採用します。JIS規格と少し異なりますが概ね被りますし、よく使う例はJIS規格のサイズ内に収まっています。
その数値はやはりここでは省略させて頂きますが、JIS標準6.1の点字よりマス間はさらに2mm程度大きい点字であることが特徴です。ひとことで言えばずばり「でかい」点字です。
それはどういうことかと申しますと、エレベーターという狭くて制約だらけの小さなスペースの割に、点字表示は他施設の案内より面積をとるということです。
そのためエレベーター用の点字の製作ならではの独特の手口が必要となります(階名の略し方など)。
一応、JIS点字標準でも代用可ではありますが私共では採用することは少ないです。
つづく
点字のサイズ |
最大スペース(案内板の大きさ上限と設置高) |
点字の案内の表示のしかた |
点字の現在地の表示のしかた |
健常者用の情報と目の不自由な方への情報は同じとは限らない |
問題 |
その他は制作中 |